元クランチロール社員、規律違反で解雇

アニメストリーミング大手であるクランチロールが、その職場文化に関して新たな疑惑に直面しています。

ある元従業員は、敵対的な職場環境について懸念を表明した後に解雇されたと主張しています。

ショーン・ホフマン氏の主張

クランチロールの元シニアソフトウェアエンジニアであるショーン・ホフマン氏は、不安症および診断された大うつ病性障害に対し、ADA（アメリカ障害者法）に基づく合理的配慮を求めた後、報復を受け、最終的に解雇されたと主張しています。

彼によると、これは母親が末期がんと診断された時期に起こり、すでに困難な状況をさらに悪化させたとのことです。

ホフマン氏は、配慮を求めた直後から敵意に遭遇し、中には直属の部下ではないマネージャーが彼に暴言を吐き、不適切なジェスチャーをするという出来事もあったと記しています。彼の投稿には、マネージャーがそのジェスチャーをしている場面のスクリーンショットと、マネージャーの名前が含まれています。

ホフマン氏はさらに、この件を記録して人事部に報告した後、会社からの待遇が変わったことに気づいたと主張しています。

また、クランチロールは解雇理由として「ポリシー違反」を挙げたが、問題のマネージャーは雇用されたままであると記しています。さらに、同社は口止め料として彼に退職金（慰謝料）を提示したとも主張しています。

ホフマン氏のクランチロールへの貢献

ホフマン氏は2024年初頭にクランチロールに入社しました。入社から2か月後の投稿で、彼はその期間における会社への以下の貢献を強調しました。

[list][*]ユーザーのストリーミング体験を向上させるため、高品質なビデオエンコーディングおよびパッケージングパイプラインを開発。[*]コンテンツクリエイターの労力を保護するため、違法ストリーミングおよび海賊版アプリを停止。[*]新しい人材を獲得するための面接パネルの一員として、採用決定に貢献。[*]大規模な本番環境でのインシデントを解決し、顧客への影響を最小限に抑制。[*]アジアでの戦略的パートナーシップの確保を支援し、会社の事業範囲を拡大。[*]新しいコンテンツデリバリーネットワークを構築し、顧客満足度を向上させ、遅延を削減。[*]ファンにスムーズな視聴体験を保証するため、「鬼滅の刃」第4期のストリーミングキャパシティを計画。[/list]

クランチロールにおけるさらなる混乱

ホフマン氏の主張は、クランチロールがすでに内部の混乱に直面している中で浮上しました。最近のブルームバーグの報道によると、クランチロールは2021年にソニーに買収されて以来、少なくとも3回のレイオフ（人員削減）を実施しています。

この移行期間は困難を極めたと報じられており、多くのクランチロールの幹部がファニメーションからの幹部や外部からの採用者に置き換えられました。従業員たちは、新しいリーダーシップが従業員とアニメコミュニティの両方からかけ離れていると述べています。

クランチロールのさらなる課題

さらに、同じブルームバーグの報道によると、クランチロールは2025年末までに購読者数2500万人を達成するという野心的な目標（「25 by 25」）を達成できない見込みです。インサイダーは、Netflix、Disney、Amazonとの激しい競争、および新市場への拡大の困難さをその理由として挙げています。

同社のゲームおよびマーチャンダイジングへの進出もまた、昨年夏に両部門でレイオフが報じられるなど、困難に直面しています。

ブルームバーグの報道はまた、シニアバイスプレジデントのマルクス・ガーデマン氏に対する不正行為の疑惑にも焦点を当てています。彼は「ボーイズクラブ」のような雰囲気を醸成し、チームの士気を低下させ、性差別的な行動に関与していると非難されています。彼に対して2件の不正行為報告が提出された後、社内調査では不正行為は確認されなかったと報じられています。

買収の背景

ソニーは2021年にクランチロールを買収し、後にファニメーションと統合しました。今年の1月7日には、親会社であるソニーグループはKADOKAWAとの間で500億円の取引を成立させ、同社の筆頭株主（約10%保有）となりました。

また、同社は最近、新しいクランチロールマンガアプリを発表しましたが、現在のところ米国のみでの提供となっています。

情報源：ショーン・ホフマン氏 LinkedInの投稿より